内視鏡検査は仕事帰りに可能?〜当日の流れと注意点を専門医が解説
仕事帰りに内視鏡検査を受けることは可能なのか
多くの方が「仕事帰りに内視鏡検査を受けられるか」という疑問を持たれています。
結論から申し上げますと、検査の種類と鎮静剤の使用状況によって異なります。胃カメラ検査であれば、鎮静剤を使用しない場合は仕事帰りでも可能です。ただし、鎮静剤を使用する場合や大腸カメラ検査の場合は、当日の仕事復帰は難しいとお考えください。
内視鏡検査は、消化器の病気を早期に発見するために重要な検査です。しかし、仕事や日常生活との両立を考えると、受診のタイミングに悩まれる方も少なくありません。
この記事では、内視鏡検査を仕事帰りに受ける際の条件、当日の流れ、そして注意すべきポイントについて詳しく解説します。
検査の種類別に見る「仕事帰り受診」の可否
内視鏡検査には主に「胃カメラ」と「大腸カメラ」があります。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の場合
胃カメラは、鎮静剤を使用しなければ仕事帰りでも受けることが可能です。検査時間は5〜10分程度で、終了後は水分摂取が可能になります。
ただし、検査前には絶食が必要です。前日の夕食は午後8時頃までに済ませ、当日は朝から絶食となります。水分は水やカフェインの入っていないお茶などを飲むことができます。
鎮静剤を使用する場合は、検査後に車の運転が禁止されます。翌日からは運転可能ですが、当日は公共交通機関やタクシーでの帰宅が必要です。また、鎮静剤の効き目が残っているため、集中力を必要とする作業は避けるべきです。

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の場合
大腸カメラは、仕事帰りの受診は現実的ではありません。
検査前に腸管洗浄剤を2リットル程度飲む必要があり、数回の排便を経て腸内をきれいにする必要があります。この準備だけで2時間以上かかることが一般的です。
検査時間は15〜30分程度ですが、前処置の時間を含めると半日以上を要します。そのため、大腸カメラを受ける場合は、丸一日の時間を確保することをおすすめします。
鎮静剤の有無が当日の行動を大きく左右する
内視鏡検査において、鎮静剤の使用は当日の行動に大きな影響を与えます。
鎮静剤を使用しない場合
鎮静剤を使用しない胃カメラであれば、検査後1時間程度で飲食が可能になります。検査後すぐに仕事に戻ることも、理論上は可能です。
ただし、検査中の不快感や緊張により、体調がすぐれない場合もあります。個人差がありますので、検査後は無理をせず、体調を確認しながら行動することが大切です。
鎮静剤を使用する場合
鎮静剤を使用すると、検査中の痛みや不快感が和らぎます。効き目には個人差があり、意識がボーッとするだけの方もいれば、ぐっすりと眠ってしまう方もいます。
鎮静剤使用時の制約として、検査後の車の運転は翌日まで禁止されます。また、当日中は鎮静剤の効き目が残っているため、集中力を必要とする作業や重要な判断を伴う業務は避けるべきです。
検査後は、鎮静剤の効き目がなくなった頃合いを見て、医師から検査結果の説明を受けます。身支度を整えたら帰宅することができますが、ふらつきや眠気が残る場合もあります。

内視鏡検査当日の詳しい流れ
内視鏡検査当日の流れを理解しておくことで、スケジュールを立てやすくなります。
検査前の準備
胃カメラの場合、前日の夕食は午後8時頃までに済ませ、消化の良いものを控えめに摂ります。当日は朝から絶食が必要です。
大腸カメラの場合、前日は低残渣食とし、当日は禁食となります。検査当日からマグコロールP®やムーベン®などの経口腸管洗浄剤の内服を行います。
受診施設へ来院し受付を済ませたら、検査の準備に入ります。大腸カメラの場合は、下剤(腸管洗浄剤)を飲み始めます。色の薄い水様便になるまで数回かけて排便を行います。
検査中の流れ
検査室のベッドに移動したら、検査開始です。鎮静剤を使用する場合は、腸の動きや検査中の痛みを和らげるため、鎮静剤を注射します。
胃カメラの場合、口腔内または鼻腔内に麻酔を行い、内視鏡を挿入します。大腸カメラの場合は、肛門から内視鏡を挿入し腸内の観察を始めます。
医師は、モニターに映る腸内をすみずみまで観察します。発赤やポリープなど病気の可能性が見つかったら、その場で組織を採取し精密検査へ出すこともあります。

検査後の過ごし方
検査が終わったら、横になって少し休みます。気分が悪い時や変調のある時は、すぐに医師に伝えましょう。
検査後はおなかが張ってくるので、おならをどんどん出すことが推奨されます。飲食は1時間後から可能ですが、組織採取やポリープ切除を行った場合は、刺激のある食事・飲酒・コーヒーなどは2〜3日避けるようにします。
鎮静剤を使用した場合、当日の車の運転は禁止です。公共交通機関やタクシーでの帰宅を計画しておく必要があります。
仕事帰りに受診する際の注意点
仕事帰りに内視鏡検査を受ける場合、いくつかの重要な注意点があります。
服装の選び方
検査当日の服装は、身体を締め付ける服装は避け、脱ぎ履きのしやすい安全な靴を選ぶことが重要です。
検査中に消化管に空気を送り込むことがあるため、身体を締め付ける服は不快感や苦痛につながることがあります。検査台への乗り降りがあるため、脱ぎ履きしやすい靴が便利ですが、鎮静剤などの影響でふらつく場合があるため安全かつ履き慣れているものを選びましょう。
常備薬の確認
普段から薬を服用している方は、検査に影響が出る可能性があるため、事前に医師に確認を取ることが重要です。
特に血液を薄くする薬を服用している場合、検査中に出血するリスクが高まることがありますので、注意が必要です。検査前には、食事と服薬について気をつけることが必要です。

帰宅手段の確保
鎮静剤を使用する場合は、車の運転ができません。事前に公共交通機関の時刻表を確認したり、タクシーの手配を考えておくことが大切です。
また、検査後にふらつきや眠気が残る場合もあるため、できれば家族や友人に付き添ってもらうことをおすすめします。
検査後の予定調整
鎮静剤を使用した場合、当日中は集中力を必要とする作業や重要な判断を伴う業務は避けるべきです。検査後の予定は、余裕を持って組むことが賢明です。
検査後の体調には個人差があります。無理をせず、体調を確認しながら行動することが大切です。
検査を受けられない方・注意が必要な方
医療機関・医師の判断により、内視鏡検査を受けることができない可能性がある方がいます。
高血圧の方、体重制限に該当する方、妊娠中の方、麻酔薬にアレルギーがある方は、予約時または事前診察で確認が必要です。
また、心臓の持病を持っている方や高齢の方は、胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を同じ日に受けることは推奨されていません。個人的な体調や持病については、事前に医師へ相談することが重要です。
検査中の痛みや検査後の体調についても、不明点や心配事があれば遠慮なく医師に相談することが重要です。医師から食事や服薬についての指示が出た場合には、それを厳守することで、不安を和らげ、より安全に検査を受けることができます。
まとめ〜安心して検査を受けるために
内視鏡検査を仕事帰りに受けることは、条件次第で可能です。
鎮静剤を使用しない胃カメラであれば、仕事帰りでも受けられます。ただし、鎮静剤を使用する場合や大腸カメラの場合は、当日の仕事復帰は難しいとお考えください。
検査を受ける際は、事前の準備と当日の流れをしっかり理解しておくことが大切です。服装、常備薬、帰宅手段など、細かな点まで確認しておくことで、安心して検査を受けることができます。
消化器の病気は、早期に発見することで治療が容易になることが多くあります。忙しい日々の中でも、定期的な検査を受けることをおすすめします。
当院では、患者様の生活スタイルに合わせた検査スケジュールをご提案しています。内視鏡検査に関するご不安やご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。
内視鏡検査のご予約
石川消化器内科・内視鏡クリニック なんば院では、胃カメラ・大腸カメラの検査予約をWEBから受け付けています。初めての方でも流れをご案内しますので安心してご相談ください。
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理事長 石川 嶺

経歴
| 近畿大学医学部医学科卒業 |
| 和歌山県立医科大学臨床研修センター |
| 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科 |
| 近畿大学病院 消化器内科医局 |
| 石川消化器内科内視鏡クリニック開院 |


