内視鏡検査当日の注意点〜来院から帰宅までの流れと準備

内視鏡検査を控えている方にとって、当日の流れや注意点は気になるポイントです。
初めて検査を受ける方は特に、「何を持っていけばいいのか」「検査後はどう過ごせばいいのか」といった疑問を抱えていることでしょう。
今回は、内視鏡検査当日の来院から帰宅までの流れを時系列で詳しく解説します。準備をしっかり整えて、安心して検査を受けていただけるようお手伝いします。
内視鏡検査当日の持ち物と来院時の準備
検査当日は、スムーズに受付を済ませるためにいくつかの持ち物が必要です。
必須の持ち物は、保険証と診察券です。保険証をお忘れになると、全額自費扱いとなってしまうため、必ず確認してからお越しください。

また、紹介状をお持ちの方は、受付時に提出してください。他院からの情報があることで、より適切な検査が可能になります。
鎮静剤を使用される方は、自動車・バイク・自転車での来院は避けてください。鎮静剤の影響で検査後の運転が危険になるためです。公共交通機関を利用するか、ご家族に送迎をお願いすることをおすすめします。
服装については、着替えやすい服装を心がけましょう。検査着に着替える際、ボタンやファスナーが多い服は手間がかかります。リラックスできる服装で来院されると、検査前の緊張も和らぎます。
検査前の確認事項と前処置の流れ
来院後、まず受付で診療申込書に必要事項を記入します。
初診の方や、前回の受診から3ヶ月以上経過している方は、改めて問診票への記入が必要です。糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある方、普段お薬を飲まれている方は、必ず事前に医師にお伝えください。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の前処置
胃カメラの場合、検査当日は朝食を食べずに絶食でお越しいただきます。少量の飲水は可能ですが、固形物は一切摂取しないでください。
検査室に移動したら、咽頭麻酔を追加します。マウスピースをくわえて、左を下にして横になっていただきます。鎮静剤を希望される方は、この時点で注射を行います。
観察時間の目安は5分程度で、検査準備から結果説明まで含めると、全体で2時間程度の所要時間となります。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の前処置
大腸カメラでは、大腸内部をきれいにする前処置が重要です。
検査4〜6時間前から洗浄液を服用します。1〜2時間かけて1〜1.5リットルほど飲んでいただき、何度かトイレに通うことで、液体のような便(水様便)になります。

前日・当日の排便がない場合は、服用前に必ずクリニックへご連絡ください。服用に不安がある方は、院内で前処置を行うことも可能です。
観察時間の目安は10分程度で、検査準備から結果説明まで含めると、全体で2〜4時間程度の所要時間となります。
鎮静剤使用時の注意点と検査中の流れ
鎮静剤を使用すると、検査中の不快感や緊張を大幅に軽減できます。
しかし、鎮静剤には逆行性健忘という特徴があります。これは、麻酔の影響で検査後の説明を忘れてしまう現象です。もし説明内容を覚えていない場合は、遠慮なくお申し出ください。再度ご説明いたします。
検査中の過ごし方
鎮静剤を使用した場合、検査中はリラックスした状態で過ごせます。力を抜いて、医師の指示に従ってください。
胃カメラの場合は15〜20分程度、大腸カメラの場合は15〜30分程度で検査が終了します。ポリープ切除や組織採取を行う場合は、さらに時間がかかることがあります。
検査が終わったら、リカバリールームで横になって少し休みます。鎮静剤の効果が切れるまで、ゆっくりと体を休めてください。
検査後の注意点と過ごし方
検査が終わったら、いくつかの注意点を守って過ごしていただく必要があります。
おなかの張りへの対処
検査後は、おなかが張ってくることがあります。これは検査中に空気を入れたためです。
おならをどんどん出しましょう。炭酸ガス送気システムを導入しているクリニックでは、検査後のおなかの張りはほとんど残りませんが、ガスを出す体操をするとさらにすっきりします。

ベッドに横になった状態で2分間、全身を右・腹ばい・左・仰向けと何度か繰り返し向きを変えると効果的です。
検査後の運転制限
鎮静剤を使用した場合、検査後の車・バイク・自転車の運転はできません。翌日からは運転可能ですが、当日は必ず公共交通機関をご利用いただくか、ご家族に送迎をお願いしてください。
検査後の食事
検査のみの場合、検査後1時間から飲食が可能です。少量の水分をとって様子をみて、気分が悪くなるなどの問題がなければ、特に制限なくお食事いただけます。
ただし、鎮静剤を使用された方は、当日のアルコールはお控えください。
組織採取やポリープ切除を受けた方への注意点
組織採取やポリープ切除を受けた方は、通常の検査よりも注意が必要です。
検査後の食事制限
切除後1週間ほどは、消化が良く負担の少ない食事メニューを心がけます。
香辛料や炭酸飲料などの刺激物、揚げ物やラーメンなど脂肪分が多いもの、刺身などの生もの、アルコール類は避けてください。便秘にならないよう、水分をたっぷりとるようにしましょう。
運動や入浴の制限
当日は安静を保ち、入浴はシャワー程度にとどめてください。ケースによりますが、1週間程度は湯舟に浸かる入浴を控えていただきます。

翌日からは散歩程度でしたら可能ですが、腹圧がかかる運動は出血につながる可能性があるため、スポーツなどは1週間控えてください。
旅行・出張の制限
遠方に移動してしまうと、万が一の場合に速やかで適切な処置が難しくなります。
長期移動は出血リスクを高めてしまうため、長時間の運転を含め旅行や出張は1週間ほど控えてください。特に気圧が変化する飛行機は避けましょう。
出血への対応
便に少量混じる程度でしたら問題ありません。しかし、便器が赤くなるほど出血量が多い、あるいは出血が増えていく・止まらない場合には、すぐにクリニックまでご連絡ください。
大きなポリープを切除したなど出血リスクが高い場合には、翌日の受診が必須で、それまで絶食となります。
検査結果の説明と次回受診について
検査が終わったら、身支度を整えて、撮影した画面を見ながら検査の結果を聞きます。
組織採取やポリープ切除を行った場合、生検結果は約1週間後にわかります。ご帰宅の前に次回のご予約をお願いしますので、スケジュールを確認しておいてください。
検査後、1〜5日間程度、抗生物質、整腸剤、消炎鎮痛剤などを服用していただく場合があります。医師の指示を守り、処方されたお薬は必ず最後まで飲み切ってください。
まとめ
内視鏡検査当日は、持ち物の確認から始まり、前処置、検査、検査後の過ごし方まで、いくつかの注意点があります。
鎮静剤を使用される方は、運転を避け、当日のアルコールも控えてください。組織採取やポリープ切除を受けた方は、1週間程度の食事制限や運動制限が必要です。
検査当日を安心して迎えるために、この記事でご紹介した流れと注意点をしっかり確認しておきましょう。ご不明な点があれば、遠慮なくクリニックにお問い合わせください。
当院では、初めて内視鏡検査を受ける方にも安心していただけるよう、丁寧な説明とサポートを心がけています。検査に関するご相談は、お電話やLINE、無料相談でも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
著者情報
理事長 石川 嶺

経歴
| 近畿大学医学部医学科卒業 |
| 和歌山県立医科大学臨床研修センター |
| 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科 |
| 近畿大学病院 消化器内科医局 |
| 石川消化器内科内視鏡クリニック開院 |

