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コラム

内視鏡検査は何科を受診すべき?専門医が徹底解説

大腸カメラ  / 胃カメラ

内視鏡検査を受けたいけれど、どの診療科に行けばいいのか迷ったことはありませんか?

「胃カメラや大腸カメラを受けたいけど、何科を受診すればいいの?」「内視鏡検査は内科?それとも消化器科?」このような疑問を持つ方は少なくありません。

内視鏡検査は早期がんの発見や様々な消化器疾患の診断に欠かせない重要な検査です。しかし、初めて受ける方にとっては、どの診療科を選べばよいのか悩ましい問題です。適切な診療科を選ぶことで、専門的な診断を受けられるだけでなく、検査の質も大きく変わってきます。

本記事では、消化器内科医として長年内視鏡検査に携わってきた経験から、内視鏡検査を受ける際の診療科選びについて詳しく解説します。検査の種類や目的に合わせた受診先の選び方、そして専門医による検査のメリットについてもお伝えします。]

内視鏡検査とは?種類と目的を理解しよう

内視鏡検査とは、先端にカメラがついた細い管(内視鏡)を体内に挿入し、消化管内部を直接観察する検査です。この検査によって、肉眼では見えない小さな病変も発見することができます。

内視鏡検査は大きく分けて「上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)」と「下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)」の2種類があります。それぞれ観察する部位や目的が異なります。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

胃カメラは、口または鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸を観察する検査です。検査時間は通常5〜10分程度で、以下のような疾患の診断に役立ちます。

  • 逆流性食道炎
  • 食道がん
  • 胃炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 胃ポリープ
  • 胃がん

胃カメラは経口と経鼻の2種類の方法があります。経口内視鏡は口から挿入する従来の方法で、経鼻内視鏡は鼻から挿入する方法です。経鼻内視鏡は嘔吐反射が起こりにくいため、「オエッ」とする不快感が少ないのが特徴です。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を観察する検査です。検査時間は通常15〜30分程度で、以下のような疾患の診断に用いられます。

  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 過敏性腸症候群
  • 大腸憩室炎

大腸カメラ検査では、検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。これにより、将来的に大腸がんになる可能性のあるポリープを早期に取り除くことができるのです。

内視鏡検査は何科で受けるべき?適切な診療科の選び方

内視鏡検査を受ける際、多くの方が「どの診療科に行けばいいのか」と迷われます。結論から言うと、内視鏡検査は主に「消化器内科」で受けるのが最適です。

しかし、医療機関によって診療科の名称や体制は異なります。また、症状や目的によって最適な受診先も変わってくるため、もう少し詳しく見ていきましょう。

消化器内科を第一選択に

消化器内科は、食道・胃・腸・肝臓・胆のう・膵臓などの消化器官に関する疾患を専門的に診療する科です。内視鏡検査のスペシャリストが多く在籍しており、高い技術と豊富な経験を持っています。

消化器内科医は内視鏡検査の実施数が多いため、技術が洗練されています。また、検査中に異常が見つかった場合の判断力も高く、その場で適切な処置(生検や治療)を行うことができます。

特に「日本消化器内視鏡学会」の認定を受けた「内視鏡専門医」がいる医療機関であれば、より質の高い検査を受けることができるでしょう。

当院のような「内視鏡クリニック」は、内視鏡検査に特化した専門クリニックです。最新の内視鏡機器を導入し、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を提供しています。内視鏡検査の質にこだわりたい方には、このような専門クリニックがおすすめです。

内科でも受けられる場合がある

一般内科でも内視鏡検査を行っている医療機関は少なくありません。特に地方や小規模な医療機関では、消化器内科という診療科がなく、内科で内視鏡検査を行っていることもあります。

内科医の中にも内視鏡検査を得意とする医師はいますので、かかりつけ医に相談してみるのも一つの方法です。ただし、内視鏡検査の実施頻度は消化器内科に比べると少ない傾向にあります。

健康診断や人間ドックの一環として内視鏡検査を受ける場合は、健診センターや人間ドックを行っている医療機関を選ぶとよいでしょう。

外科での内視鏡検査について

消化器外科でも内視鏡検査を行うことがあります。特に手術前の精査や、手術後の経過観察として内視鏡検査を行うケースが多いです。

ただし、一般的な内視鏡検査(スクリーニング検査)の場合は、消化器内科を受診するのが一般的です。消化器外科は主に手術による治療を専門としているため、内視鏡検査の実施頻度は消化器内科に比べると少ない傾向にあります。

消化器の症状で悩んでいて、どの科を受診すべきか迷った場合は、まずは消化器内科を受診することをおすすめします。

症状別・目的別の適切な受診科

内視鏡検査を受ける理由は人それぞれです。症状や目的によって、最適な受診科が異なる場合もあります。ここでは、よくある症状や検査目的別に、適切な受診科を解説します。

胃の症状がある場合

胃痛、胸やけ、吐き気、食欲不振などの胃の症状がある場合は、消化器内科を受診しましょう。これらの症状は、胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎などの疾患が考えられます。

消化器内科では、問診と診察の後、必要に応じて胃カメラ検査を行います。症状の原因を特定し、適切な治療を受けることができます。

胃の症状が長期間続く場合や、45歳以上の方、家族に胃がんの既往がある方は、胃がんのリスクも考慮して、積極的に胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

大腸の症状がある場合

便秘、下痢、腹痛、血便などの大腸の症状がある場合も、消化器内科を受診するのが適切です。これらの症状は、過敏性腸症候群、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患などの疾患が考えられます。

特に血便がある場合や、便潜血検査で陽性が出た場合は、大腸がんの可能性も考えられるため、早めに消化器内科を受診し、大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。

大腸ポリープが疑われる場合も、消化器内科や肛門科を受診しましょう。大腸内視鏡を使って治療や定期的な経過観察をする場合が多いので、内視鏡検査ができる医療機関を選ぶことが望ましいです。

健康診断や人間ドックの一環として

健康診断や人間ドックの一環として内視鏡検査を受ける場合は、健診センターや人間ドックを実施している医療機関を選びましょう。

一般的な健康診断では、胃の検査としてバリウム検査(胃透視)が行われることが多いですが、より精度の高い検査として胃カメラを選択することも可能です。バリウム検査では発見が難しい小さな胃潰瘍やポリープなどの病変も、内視鏡検査なら発見することができます。

人間ドックでは、オプション検査として胃カメラや大腸カメラを追加することができる場合が多いです。定期的な健康チェックとして内視鏡検査を取り入れることで、消化器系の疾患を早期に発見することができます。

近年では厚生労働省の指針が改定され、胃がん検診に内視鏡検査を用いることが推奨されるようになりました。胃カメラによる検診で胃がんの死亡率が低下することが確認されたためです。

肛門の症状がある場合

肛門の痛み、出血、脱出感などの症状がある場合は、肛門科や消化器内科を受診しましょう。これらの症状は、痔(いぼ痔、切れ痔)、肛門周囲膿瘍、痔ろうなどの疾患が考えられます。

肛門科では、肛門鏡という専用の機器を用いて肛門を観察します。必要に応じて、大腸カメラ検査を行うこともあります。

当院のような消化器内科・内視鏡クリニックでは、肛門科診療も行っており、女性医師による診察も可能です。肛門の症状で悩んでいる方も安心して受診いただけます。

内視鏡専門医による検査のメリット

内視鏡検査を受ける際、どの医師に検査してもらうかは非常に重要です。特に「内視鏡専門医」による検査には、多くのメリットがあります。

内視鏡専門医とは、日本消化器内視鏡学会が認定する資格で、「豊富な学識・経験を有する医師」として認められた医師のことです。専門医資格を取得するためには、厳しい審査と多くの症例経験が必要とされます。

高い診断精度と安全性

内視鏡専門医は、豊富な経験と知識を持っているため、微細な病変も見逃さず発見することができます。特に早期がんのような小さな病変の発見率は、一般の医師に比べて高いと言われています。

また、内視鏡操作の技術が高いため、検査中の苦痛が少なく、合併症のリスクも低減されます。内視鏡検査には穿孔(腸に穴が開くこと)や出血などのリスクがありますが、専門医による検査ではこれらのリスクは最小限に抑えられます。

日本消化器内視鏡学会によると、大腸内視鏡検査中に起こる穿孔や出血などのリスクは0.012%、死亡率は0.00082%と報告されています。つまり、適切な医師による検査であれば、ほとんどリスクはないと言えるでしょう。

苦痛の少ない検査技術

内視鏡検査というと「苦しい」「痛い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、内視鏡専門医による検査では、患者さんの苦痛を最小限に抑える工夫がなされています。

当院では、鎮静剤(麻酔)を用いた内視鏡検査を行っています。鎮静剤を使用すると、ウトウトと半分眠ったような状態になるため、検査中の苦痛や不安をほとんど感じることなく検査を受けることができます。「気づいたら終わっていた」という感覚で検査を終えられる方も多いです。

また、胃カメラ検査では、経口だけでなく経鼻内視鏡も選択できます。経鼻内視鏡は鼻から挿入するため、嘔吐反射が起こりにくく、「オエッ」とする不快感が少ないのが特徴です。

内視鏡専門医は、これらの技術を駆使して、患者さんの負担を最小限に抑えた検査を提供しています。

最新の内視鏡機器による高精度な診断

内視鏡専門医が在籍する医療機関では、最新の内視鏡機器を導入していることが多いです。最新の機器を使用することで、より精度の高い診断が可能になります。

当院では、オリンパス社製の最上位機種「EVIS X1」を導入しています。この機器には、NBI(狭帯域光法)、RDI(赤色光観察)、EDOF(被写界深度拡大技術)といった先端技術が搭載されており、がんなどの病変の早期発見に大いに貢献します。

また、GEヘルスケア社製の「16列CT装置 Revolution ACT」も導入しており、全身の断層像や3D立体像を短時間で取得できます。被ばく量を最小限に抑えた検査が可能です。

このように、内視鏡専門医による検査では、最新の機器と高い技術を組み合わせた質の高い診断を受けることができます。

内視鏡検査を受ける際の医療機関の選び方

内視鏡検査を受ける際、どのような医療機関を選べばよいのでしょうか。ここでは、内視鏡検査を受ける際の医療機関選びのポイントを解説します。

専門医の在籍を確認する

内視鏡検査を受ける際は、内視鏡専門医が在籍しているかどうかを確認しましょう。医療機関のホームページや電話で問い合わせることで確認できます。

内視鏡専門医がいる医療機関では、高い技術と豊富な経験に基づいた質の高い検査を受けることができます。また、検査中に異常が見つかった場合の対応力も高いため、安心して検査を受けることができます。

当院では、日本内視鏡学会認定の内視鏡専門医が胃カメラ検査・大腸カメラ検査を担当しています。豊富な経験と知識を持つ医師の丁寧な操作、苦痛・不安を和らげる鎮静剤が、患者様の負担を最小限に抑えます。

設備や検査環境をチェック

内視鏡検査の質は、使用する機器や検査環境にも大きく左右されます。最新の内視鏡機器を導入している医療機関を選ぶことで、より精度の高い診断を受けることができます。

また、鎮静剤を用いた検査や経鼻内視鏡など、患者さんの負担を軽減する取り組みを行っているかどうかも重要なポイントです。医療機関のホームページや電話での問い合わせで確認しましょう。

当院では、最新の内視鏡システムを導入し、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を提供しています。また、経口・経鼻の胃カメラ検査、日帰り大腸ポリープ切除にも対応しており、患者さんのニーズに合わせた検査を受けることができます。

アクセスや診療時間を考慮する

内視鏡検査、特に大腸カメラ検査は前処置(下剤の服用など)が必要なため、医療機関へのアクセスの良さも重要なポイントです。自宅や職場から通いやすい場所にある医療機関を選びましょう。

また、平日は仕事で忙しい方は、土日や夜間に診療している医療機関を選ぶとよいでしょう。予約の取りやすさや待ち時間の短さも、医療機関選びの参考になります。

当院は、大阪メトロ御堂筋線・千日前線「なんば駅」からすぐの駅直結ビル内にあり、アクセスの良さが特徴です。診療時間は平日・土日祝日ともに9:00〜17:00(土日祝日は14:00に終了することもあり)と、幅広い時間帯で受診可能です。

口コミや評判を参考にする

内視鏡検査を受けた方の口コミや評判も、医療機関選びの参考になります。インターネットの口コミサイトや知人の体験談などから情報を集めましょう。

特に、「検査中の苦痛が少なかった」「丁寧な説明があった」「スタッフの対応が良かった」といった点は、内視鏡検査を快適に受けるために重要なポイントです。

ただし、口コミはあくまで参考程度にとどめ、自分自身の条件や希望に合った医療機関を選ぶことが大切です。

まとめ:内視鏡検査は消化器内科・内視鏡専門医がベスト

内視鏡検査を受ける際の診療科選びについて解説してきました。内視鏡検査は主に「消化器内科」で受けるのが最適ですが、症状や目的によって適切な受診先は異なります。

内視鏡検査の質は、医師の技術や経験、使用する機器によって大きく左右されます。特に「内視鏡専門医」による検査は、高い診断精度と安全性、苦痛の少ない検査技術など、多くのメリットがあります。

内視鏡検査を受ける際は、内視鏡専門医が在籍している医療機関を選び、最新の機器と高い技術による質の高い検査を受けることをおすすめします。

当院では、日本内視鏡学会認定の内視鏡専門医による胃カメラ・大腸カメラ検査を提供しています。鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査、最新の内視鏡システムによる高精度な診断など、患者さん一人ひとりに満足いただける内視鏡検査を心がけています。

内視鏡検査に対する不安や疑問がある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。丁寧な説明と質の高い検査で、皆様の健康をサポートいたします。

詳細は大阪消化器内科・内視鏡クリニック難波院のホームページをご覧ください。

著者情報

理事長 石川 嶺

経歴

近畿大学医学部医学科卒業
和歌山県立医科大学臨床研修センター
名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
近畿大学病院 消化器内科医局
石川消化器内科内視鏡クリニック開院